ダウ理論:なぜ重要な高値安値が解るのか?

皆様こんにちは。さて、今回もダウ理論についてお話をしていきます。
前回はダウ理論の重要な高値と安値についてお話をしてきました。今回はこの重要な高値と安値について、もう少し掘り下げていってみましょう。
ダウ理論:なぜ重要な高値と安値を見分けることが出来るのか?
一言で重要な高値安値と言っても、皆様はこう思うと思います。「重要な高値安値って言われても高値も安値もいっぱい有るやんけ!!どれが重要やねん!?」私も最初はそう思っていました。
それを解決し、ダウ理論で言うところの重要な高値安値を見分けるためには「エリオット波動論でいうところの修正波」を利用して判別するのですが、今はまだ修正波とは何なのかを理解するよりも、重要な高値安値を判別することに力を注いだ方が良いと思います。一気にいろんな知識を詰め込むと頭がオーバーヒートしますので、1つずつ理解していきましょう。
ダウ理論:重要な高値と安値を見分けるために必要なもの
重要な安値と高値を見つけるためには、先ほどお伝えしましたエリオット波動論の「修正波」を利用して判別します。
修正波とは、ごくごく簡単に申し上げますと、
- アップトレンド中における戻り安値試し
- ダウントレンド中における戻り高値試し
です。
この、戻り安値試しと、戻り高値試しの値幅が一番大切な部分になるのです。この値幅を考え、見分けることによって「重要な高値と安値を見分けることが出来る」のです。
例えば、このような二種類の戻り安値試しの値幅が有ったとします。皆さんはどちらが大きいと思いますか?
誰が見ても左側が大きいように見えますね。ですが、この大きさの戻り安値を買いの勢力は負かすことが出来ています。このように大きな戻り安値を負かすためには、いったいいくらの資金が必要になるでしょうか?そう考えてみると左側のこのちっちゃな波程度なら、そうそう大金をつぎ込む必要は無いように思えてきませんか?
つまり、戻り安値や戻り高値の値幅が大きければ大きいほど、逆勢力を打ち負かすためには大量の資金が必要になってきます。逆に戻り安値や戻り高値の値幅が小さいほど、それほど資金を必要とせず、難なく逆勢力を打ち負かすことが出来るのです。
つまり、この図で言うところの左側の安値がなぜ最も肝心で最も強いということが出来るのかは、ここから買い上げてこれだけの値幅を作った逆勢力を完全に打ち負かすことが出来たから、この安値が最も強く、次にこの左側の高値がなぜ最も肝心な高値になるのかというと、これだけの値幅を作ることが出来る売りの勢力が存在しえたにも関わらず、更に買いの勢力側はアップトレンドの継続を決定づけることが出来た勢力が、この高値付近に存在すると言えるからです。
図だけだと納得できない部分が多々あると思いますので、実際のチャートを見てみましょう。
こちらは以前、アップトレンドの定義に従って波を引いたところです。そこへ青の波をつけ足してみました。出来る限り小さい波を引ける所まで引いて見たのですが、どうでしょうか?赤の波に対して青にはいくつかの中ぐらいから小さいものまで戻り安値が発生しております。厳密にいえば中ぐらいの波でも時間軸によっては、重要な高値安値だと言えるのですが、今は日足レベルでの話として捉えてください。
赤の戻り安値に対して青の戻り安値、あなたにはどう見えるでしょうか?小さくなればなるほど赤の波は意識していないように私には見えます。
私が思う重要な高値付近に、赤の水平線を引いて見ました。
どうでしょう?やはり相場の参加者たちは「ここが重要な高値だ!」という風に見ているように見えませんか?
それに対して青の波の、ごくごく僅かな値幅はどう見えるでしょうか?「本当にここは重要な高値安値になりえるのか?」と考えたときに、この波の流れからはとてもそうは見えないと思います。
赤の波のこれほどの大きな戻り安値を負かすことが出来る買いの勢力が存在し、また、重要な高値付近に近づいたときにトレンドの継続を決定づけることが出来た勢力が存在するとなると、それぞれの相場の参加者はどう考えるでしょうか?一度考えてみるのも面白いと思いますよ。
この青の波を活用するのであれば、時間単位、あるいは分単位のローソク足レベルにまで落とし込まないと使えそうにありませんが、最初のうちは波を見分けることが一番大切なことなので、可能な限り日足レベルでの波の違いを意識しましょう。
ダウ理論:なぜ戻り安値や戻り高値が発生するのか?
皆さんは「なぜ相場というものは戻り安値や戻り高値を作りながら出来上がっていくのか?」という疑問を持ったことは有りますか?私は有ります。
「なんでこんな複雑な動きをしながらチャート形成していくねん!?アホか!!まっすぐ進めばええやんけ!!」
と、何度も思っています。今でも思っています。
では、なぜこのような複雑な動きをしながらチャートを形成していくのか?その答えは簡単ですね。
今回の記事と前回の記事をしっかりと読めば、おのずと答えは導かれるはずです。
答えは、
買いと売りの勢力が存在するから
ですね。
チャートの中ではそれぞれ買いの勢力と売りの勢力が、互いの資金を奪い合う戦争が繰り広げられています。
お互いがお互いの資金を奪い合う、つまり、勝つか負けるかの攻防がFXの世界では毎日24時間行われているのです。
買いエントリーによるポジションを持ったなら、いつかは必ず利食わないといけません。利食わずにそのままエントリーポジションを持ち続けると、いつかは売りの勢力に押し寄せられて資金を失うことになってしまいます。
- 買いエントリーによる利食いとはどういうことなのか?
つまり、今持っている買いのポジションを手放すということです。手放すということは、相場の世界ではただ手放すということではなく、今持っているポジションを売ることにつながるのです。
これには理解しづらい部分もあると思いますが、相場のシステム上そうなっているので「そういうものなのだ」と覚えるほかありません。
- 今持っているポジションを売る
まさしく売りの勢力が発生したと言えることです。この売りの勢力の参入を見た他の投資家たちはどう思うでしょう?
「ここから下がってきたのなら売ってみよう。」
少なからずそう思う投資家が居ても不思議ではありません。これが原因で戻り安値が形成されていくのです。
ダウ理論:なぜ重要な高値と安値を見分けることが出来るのか?まとめ
アップトレンド中の戻り安値試し、ダウントレンド中における戻り高値試しの値幅が重要であり、その幅が大きければ大きいほど重要度が増す。
アップトレンドにおいては、思いっきり売りで迫って大きく値幅を取ったにも関わらず、売りの勢力が全て負かされたということは、直前の安値から買いの勢力が入り、そこまで下げていた売りの勢力が全て負かされた(負かすことが出来た)ために、その安値が最も重要視され、かつ、高値付近にはトレンドの継続を決定づけることが出来た勢力が存在するということが言えますので、値幅の大きい高値付近、安値付近は最重要視されると言えるのです。
ダウントレンドにおいては、アップトレンドの逆と言えます。念のため文章にして言いますと、
ダウントレンドにおいては、思いっきり買いで迫って大きく値幅を取ったにも関わらず、買いの勢力が全て負かされたということは、直前の高値から売りの勢力が入り、そこまで上げていた買いの勢力が全て負かされた(負かすことが出来た)ために、その高金が最も重要視され、かつ、安値付近にはトレンドの継続を決定づけることが出来た勢力が存在するということが言えますので、値幅の大きい安値付近、高値付近は最重要視されると言えるのです。
以上のことをしっかりと考えてチャートを見てみると、何かが見えてくるかもしれませんね。
次はなぜ戻り安値や戻り高値が発生するのか?について、もっと深く掘り下げてお話をしていきたいと思います。
ここまでお読みいただき有難うございました。次回もよろしくお願い致します。